町田居酒屋 【インドネシア】サントリーが現地企業買収:飲料事業参入、売上600億円狙う
サントリーホールディングス(HD)は15日、インドネシアの食品大手ガルーダフード・グループの清涼飲料事業を買収する計画を明らかにした。年内をめどに両社で合弁会社を設立するほか、同グループの物流・販売子会社にも出資する。出資額は合わせて100億円になる見通し。経済成長が著しいインドネシアで事業基盤を確立し、10年後には約600億円の売上高を目指す。
サントリー子会社のサントリー食品インターナショナルが、年内にもガルーダフードと合弁会社を設立する。サントリー食品が51%を出資する。ガルーダフードから飲料事業を切り離して移管するため、実質的な買収となる。同社の物流・販売子会社シナール・ニアガ・スジャトラにも34%出資し、現地での製造・販売体制を整える。
合弁会社は当面、現在ガルーダフードが製造・販売している飲料を取り扱う。将来的には同社の既存工場を活用し、サントリー製品の現地生産も視野に入れている。日本の自社ブランドをはじめ、タイやニュージーランドなどでグループ企業が生産する商品の輸入販売も検討する。酒類の販売予定は今のところない。
ガルーダフードはインドネシアの食品・清涼飲料大手で、従業員数は1万8,746人。飲料業界では5位につけており、カップ入りゼリー飲料や茶飲料ではトップシェアを誇る。昨年の売上高は422億円。このうち飲料事業は3割弱の119億円を占めた。
同国内で生産、流通、販売網を備えるため、サントリーの持つ商品開発力、生産技術力、マーケティング力などとのシナジー効果が見込めると判断して買収を決めた。サントリーは合弁会社の売上高を10年後に、現行の5倍となる600億円程度に引き上げたい考えだ。
サントリーの2010年12月期連結業績は、売上高が前期比12.4%増の1兆7,424億円、純利益が22.5%増の400億円だった。海外事業の売上高は3,533億円で、全売上高に占める割合は20%だった。今期の売上高は前期比3.7%増の1兆8,060億円、純利益は19.9%増の480億円を見込む。
中期的には売上高を2兆円、海外比率は25%まで高める計画だ。今回のインドネシアでの飲料事業買収は海外事業を拡大する一環で、今後も他国での既存企業の資産獲得などを進めることで目標の達成を目指す。